むち打ちの分類について
2021/08/26
一口にむち打ちと言われていますが、むち打ちは5つにタイプ分類されています。
むち打ちの症状はいろいろありますが、タイプ別にその原因が異なり治療方法も変わってきます。
その症状により治療方法や診療に訪れる場所も違いますのでご参考にしてください。
事故当初から症状が現れる場合もありますが、数日後またはしばらく経ってから首の痛みや頭痛が出る場合もあります。
また、むち打ちとは症状の名称で診断名は「頸椎捻挫」です。
1、頸椎捻挫型
むち打ちの70%を占めると言われています。
いわゆる首の捻挫で、首の筋肉や靭帯が損傷した状態です。
首や肩、背中の痛み。
頭を左右や前後へ動かせない運動制限。
頭痛や肩こりなどの症状が出現します。
整形外科で治療を進め、シップや牽引、リハビリ、時には投薬などで数ヶ月を費やしますが症状はほとんど改善しないどころか悪化していく場合があります。
その後、約6ヶ月で症状固定となり自賠責保険は打ち切られます。
その先何年も頭痛や首痛、肩こりなどに悩まされる事になっていきます。
逆に頸椎捻挫型は的確な治療を行うと治しやすいタイプでもあります。
どの動きで痛みがあり、どの方向で運動制限があるのか。
どこに原因があって、症状はどこまで広がっているのかを正確に判断し、的確な治療を行うと劇的に改善していくケースが多いです。
軽いむち打ちだから放置しておけば治る。
なんて甘く見ないで早目に的確な処置を受けることをお勧めします。
2、神経根損傷型
脊髄から出る神経の根元(神経の枝分かれの根元)を損傷したタイプです。
症状は、首や腕などの痛みやしびれ。
知覚障害。
力が入らないなどの脱力症状。
このタイプは、むち打ちとしては重度の障害で、骨にまで損傷が及んでいる場合が多いです。
交通事故による障害は、正常であった身体に一瞬にして大きなダメージを与えるという特徴を持っています。
カイロプラクティックでは、その一瞬にして与えられたダメージを矯正により元の状態に戻すことが可能です。
改善しない手や足のしびれなどご相談ください。
3、脊髄症状型
頸椎の中に通っている脊髄、またはそこから伸びている神経に損傷があるタイプ。
腕の痛みやしびれ 足の痛みやしびれ が出現します。
手先や足先など、末梢にまで症状が及ぶと治療は大変になります。
まず、手足のしびれを診る場合に大切なことは、首から手先、足先のどこに神経圧迫があるのかを探し出さなければなりません。
むち打ちだからと言って必ずしも首だけに神経圧迫があるとは限らないからです。
障害のある場所が特定出来たら頸椎から手先、足先までの骨や関節、その周囲の筋肉調整、さらには神経の活性化も行わなければなりません。
治療期間はやや長期化すると思われますが、諦めずに的確な治療を行っていきましょう。
4、バレー・リュウ症候群型
自律神経の中の交感神経または副交感神経の一方、または両方に損傷があるタイプ。
頭痛、めまい、吐き気、耳鳴り、難聴など様々な症状が出現します。
むち打ちと言っても、こうなると日常生活もままなりません。
自律神経は上部頸椎と骨盤(主に仙骨)の矯正で改善される場合がありカイロプラクティックを併用することで効果が上がります。
上部頸椎の矯正には熟練を要し誰でもが簡単に出来るものではありません。
症状が劇的に改善される場合がある一方、未熟者が行うと症状は更に悪化します。
特に頸椎1番、2番の分析、矯正には細心の注意を払います。
5、脳脊髄液減少型
交通事故によりくも膜から脳脊髄液が漏れ出した状態です。
この症状の特徴として起立性の頭痛があります。
ブラッドパッチ療法が有効とされています。
この状態では整形外科、脳神経外科、ペインクリニックの治療が必要です。
ご覧のように、むち打ちにはいろいろなタイプがあり、その症状や原因によって治療方法が異なります。
ご自分の症状がどのタイプと似ているか、どんな治療方法が合っているかのご参考にしてください。
交通事故治療の場合、早期の的確な治療が早期復帰のカギとなります。